圧倒的存在感!砲丸のようなでかい丸い実が幹につく
キャノンボールツリー「イエローフラワー」は幹から直接咲くクリームイエローの大輪。そして、その後には本物の「砲弾」のような巨大な果実。一般的なキャノンボールツリーとは異なる、中南米原産の非常に珍しいCouroupitaです。は、サガリバナ科Couroupita属の常緑~半落葉性高木で、ニカラグアからコスタリカ、パナマ、コロンビアを経てエクアドル方面まで、中南米の熱帯低地林に分布します。
Couroupita属といえば、一般的には「キャノンボールツリー」として知られるCouroupita guianensisが圧倒的に有名です。しかし、本属には複数の種があり、C. nicaraguarensisはその中でも栽培下で目にする機会が非常に少ない種類です。
本種の魅力は、まずその独特な樹姿にあります。
長く横へ広がる枝を形成し、その枝には先端の丸い葉がまとまるように付きます。葉脈は淡い緑色で目立ち、葉そのものにも熱帯植物らしい美しさがあります。
しかし、成熟した樹で最も目を引くのは花です。
一般的な枝先ではなく、幹や太い枝から直接、葉を持たない長い花序を伸ばして開花します。このように幹から直接花や果実を付ける性質は「幹生花・幹生果」と呼ばれ、カカオやジャボチカバなどにも見られる熱帯植物らしい特徴です。
花は大型で、クリーム色から黄色。
ここが、一般的なキャノンボールツリーであるC. guianensisとの非常に分かりやすい違いです。
C. guianensisではピンク~赤色を帯びた非常に派手な花を咲かせるのに対し、C. nicaraguarensisはクリームイエロー系の柔らかな色彩の花を咲かせます。同じCouroupita属でありながら、開花した姿の印象はかなり異なります。
そして花後に現れるのが、名前の由来そのものともいえる巨大な果実です。
果実はほぼ球形で、成熟すると褐色~錆色を帯びます。その姿は文字通り古い大砲の「砲弾」のようです。太い幹や下部の枝から巨大な球形果実がいくつもぶら下がる成熟株は、植物とは思えないほど奇妙で迫力があります。
一般的な果樹のように枝先に果実が実るのではなく、太い幹の周囲に砲弾が直接並ぶような姿になるため、結実した大株は圧巻です。
果実内部には多数の種子を含む果肉があります。専門書では果肉は食用になるものの、強い臭気を持つことが記載されています。そのため、一般的なトロピカルフルーツのように美味しい果実を収穫する目的というより、巨大で奇妙な果実そのものを楽しむ植物として考えた方がよいでしょう。
樹は熱帯低地性で、原産地では湿潤な森林に生育します。高温多湿な環境を好み、十分な水分がある肥沃な土壌でよく成長します。
耐暑性は非常に高く、日本の夏季にも旺盛な成長が期待できます。一方で耐寒性は高くありません。低地熱帯を原産とする大型樹ですので、日本では沖縄など一部地域を除いて温室または鉢植えでの栽培が基本になります。幼木は特に低温に注意し、冬季は十分な温度を確保するのがおすすめです。
成長すると大型になりますが、若木のうちは鉢植えでも管理できます。ただし、将来的に開花・結実まで狙う場合には相応のスペースと温度を確保する必要があります。
そして、結実した大株を植える場所には注意が必要です。
成熟したキャノンボール状の果実は大きく重量があり、最終的には落下します。そのため、海外でも歩道や道路、人が頻繁に通る場所から離して植えることが推奨されています。頭上から「砲弾」が落ちてくる可能性を考えれば、これは非常に重要なポイントです。
キャノンボールツリーという植物を知っている方にこそ、育てていただきたい種類です。
赤~ピンクの花を咲かせる有名なC. guianensisではなく、クリームイエローの大輪を咲かせるC. nicaraguarensis。
幹から直接咲く巨大な花。そして、その同じ幹から今度は錆びた砲弾のような果実が次々と現れる。
「世界にはこんな植物があるのか」と思わせてくれる、熱帯植物の奇妙さとスケール感を存分に楽しめる非常に珍しい樹木です。