少し耐寒性のある高地性サポテ。濃厚な甘さ♪
「グリーンサポテ」は緑色から褐色の果皮を割ると、中から現れる鮮やかな赤橙色の果肉が美しい果実です。マメイサポテに近縁でありながら、より冷涼な山地に適応した、中米原産の非常に魅力的なサポテです。
メキシコ南部からグアテマラ、ホンジュラス、コスタリカなど中央アメリカに分布するアカテツ科Pouteria属の常緑果樹です。「Green Sapote」「Red Faisan」「Zapote Verde」などの名前でも知られています。
近縁種として特に有名なのがマメイサポテ(Pouteria sapota)です。果実の内部だけを見ると非常によく似ていますが、グリーンサポテは若い果実の時期に緑色の果皮を持つことで知られています。。
果実は卵形から楕円形で、成熟しても果皮は緑色~黄緑色を主体とします。そのため、一見しただけでは熟しているのか分かりにくい果物です。
しかし、その地味な緑色の果皮を切ると印象が一変します。
内部には鮮やかな黄色~橙色、赤橙色の果肉が詰まっています。中央には通常1~2個ほどの大きな種子が入り、緑色の果皮との色彩のコントラストも非常に美しい果実です。
果肉はもちろん食用です。
完熟果は柔らかく、甘く、非常に繊細な舌触りの食感を持ちます。味はアビウのような非常に濃い甘さを持ちます。マメーサポテの荒々しさをなくし、アビウ特有の癖を全てとっぱらったような、ポウテリア・フルーツの頂のような極めて優れた味でした。
マメイサポテを知っている方には「緑色のマメイサポテのような果物」と説明するとイメージしやすいかもしれません。しかし、グリーンサポテは単なる色違いではありません。
本種を特に面白くしているのが、その自生環境です。
マメイサポテが低地熱帯でも盛んに栽培されるのに対し、グリーンサポテは中米の山地性気候に適応しており、主に標高約800~2,000mの湿潤な森林に生育するとされています。
つまり、かなり標高の高い場所まで分布するPouteriaです。
この性質から、純粋な低地熱帯果樹よりも冷涼な環境への適応力を持ちます。グリーンサポテが珍果樹愛好家から注目される理由の一つも、この「高地性サポテ」という性質にあります。
耐暑性については暖かな環境でよく生育しますが、極端な高温と乾燥を好む植物ではありません。本来は湿潤な山地林の植物なので、日本では夏季の水切れに注意しながら管理します。特に鉢植えでは、排水性を確保しつつも極端に乾燥させないことが重要です。
一方、耐寒性についてはマメイサポテより期待できるものの、温帯果樹のような強い凍結に耐える植物ではありません。
若木は約-1℃程度で枯死することがある一方、成木では約-5℃程度まで耐えた例が紹介されていいます。この数字だけを見て露地栽培可能と判断するのは危険ですが、Pouteria属の熱帯果樹としては非常に興味深い耐寒性です。
日本ではまず鉢植えで育て、幼木のうちは霜や凍結を避けるのがおすすめです。株が十分に成熟してから、暖地で露地栽培の可能性を試してみる価値がある植物だと思います。
また、マメイサポテとの近縁性を利用し、接木台木として利用されることもあります。両種を栽培している方にとっては、果実を収穫するだけでなく、Pouteria属の栽培や接木を研究する素材としても面白い種類です。
緑色の果実を収穫し、熟すのを待って切ってみる。
すると、その控えめな外観からは想像できないほど鮮やかな赤橙色の果肉が現れる。
そして甘く滑らかな果肉を楽しめるだけでなく、標高2,000m近い中米山地にまで進出した「高地性サポテ」という性質まで持っています。
グリーンサポテは、マメイサポテの珍しい親戚というだけではありません。熱帯果樹と亜熱帯・暖温帯果樹の境界を探るうえでも非常に興味深く、日本でどこまで露地栽培できるのか試してみたくなる、魅力的なPouteriaです。
また、木の樹液はチューインガムに加工でき、種もローストして食べることができます。