植え方・用土
生育適温は20℃~30℃です。水はけの良い肥沃な用土を好みます。中性~弱酸性の土を好みますので、ブルーベリーの土で育てるとよいです。
寒さが心配な地域は鉢植え栽培をおすすめします。
用土は水はけの良い土を使い、日当りの良い場所で管理してください。
地植えの場合は、日当たりの良い場所で腐葉土を良く漉き込んだ水はけの良い土に植え、フェンスや棚に蔓をはわせます。鉢植えの場合は、6~10号鉢くらいの行灯(あんどん)仕立てにします。用土は培養土で大丈夫。大きい鉢の場合は、オベリスクやトレリスを使うとおしゃれに仕上がります。
植え替えは、2年を目安に、根が詰まってきたら鉢増しも兼ねて植え替えてやります。植え付けや植え替えの適期は4~6月上旬です。
水やり
水遣りは、用土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷりとやります。夏場は、乾燥しやすいので水切れに注意します。朝夕2回の水遣りが必要かもしれません。冬は乾かし気味に管理します。2~3週間に1回の水遣りで十分です。
肥料のやり方
肥料は、生育適温期(4~10月頃)は毎月1回施します。リン酸が多めの骨粉入り発行済み油粕などの有機質肥料や緩効性化成肥料を規定量与えます。与えすぎると葉や蔓ばかり茂るので注意します。
花芽の付き方
パッションフルーツの花は1日花で花の寿命が1日しかありません。花粉発芽適温は25度くらいで雨が当たると破裂してしまいます。開花時の雨で結実不良になります。
パッションフルーツの紫種は夜明けから午前中に開花し、開花後4時間くらいで開葯します。黄色種は11時ごろから夜にかけて開花して夜には萎れてしまいます。花粉が湿っていると受粉に失敗しますので、開花時期は雨除けするとよいです。人工授粉をおすすめします。開葯直後に筆や軍手などにおしべの花粉を付着させ、別の花の柱頭にこすりつけてください。
30℃以上の気温が続くと、高温障害を起こし、花芽や未熟果を落下させることがあります。新梢の3~5節目くらいの葉腋に蕾がつき、その後連続して着蕾します。でも結果するのは1結果枝あたり5~6個で、それ以外は落果します。
開花・受粉から14日で玉伸びを終え、その後45日で完熟、自然落下します。収穫は自然落下したものを収穫します。未熟なまま落果するのは水切れか果実のなりすぎかどちらかです。
剪定方法
行灯やオベリスクへ誘引は外側から囲むように蔓を巻きつけて行きます。トレリスへの誘引は、主枝を真っ直ぐに伸ばし、上まで伸びたら先端をカットして芯を止めます。すると側枝が数本でてくるのでそれぞれの枝を横へまっすぐに誘引していきます。できるだけ蔓を横向きに伸ばすと、花芽がつきやすくなります。
剪定は、春先に込み合った枝などを間引き剪定します。収穫後や茂りすぎて、剪定する場合は、長い蔓が2つに分かれたところの2節上を切ります。一度実が付いた場所からは花芽がでないので、実が付いた枝は、切り戻してかまいません。
その他豆知識
株が充実して生育適温は20℃~30℃であれば秋でも花が咲きます。開花後60日で収穫ですが、温度が高すぎたり低すぎると落果したりします。
太平洋側の暖地では冬は屋内で越冬します。地上部は1mくらいまで切り詰めて屋内越冬しても根が充実すれば春から育った株でも実がなります。プランターで冬越しして1株で40個収穫したこともあります。
桃栗三年柿八年、パッション2年でなる始める。大株に株が充実すれば実がなり始めますので、1年生より2年生のほうが早くなりやすいです。
病害虫の予防法
パッションフルーツの栽培にはあまり害虫の心配はありませんが、新芽にアブラムシがついたり、カメムシ発生する場合があるので、その際は見つけ次第、捕殺してあげてください。過度に農薬を蒔く必要はありません。
湿気がある5月以降はナメクジがつきやすいので、ナメクジ除けの誘殺剤を周囲に置いておくとよいです。
増やし方
挿し木