赤い顔の人形に黄色い帽子をかぶせたような愛らしい花。
ほおべにエニシダ(頬紅金雀枝)は黄色に赤色が混じるので、頬紅です。細い枝を多数伸ばして、前年枝の葉腋に蝶のような形の花を咲かせます。枝びっしりに咲く姿はとても可憐で美しいです。
枝葉の形はほうき形で、英名では「Broom(ほうき)」とも呼ばれます。
エニシダにまつわる逸話は多く、伝説の魔女が夜中にまたがって飛ぶほうきはこのエニシダの枝で、昔は実際にこの枝を束ねてほうきを作っていたそうです。
\“エニシダ\”の読みは、 オランダ語の「genista」(ヘニスタ)が語源といわれており、300年ほど前の江戸時代延宝年間にオランダから渡来したとされます。
聖母マリアが赤ちゃんの頃のイエスを抱いて逃げている時に、エニシダの草とすれる音でつかまりそうになった、との伝説があります。
イギリスの国章とみなされています。ヨーロッパでは重宝されており、つぼみは塩漬けでサラダの材料に使われるほか、屋根葺き材、衣服、紙、染料、薬用にも使われます。ただし、全草にアルカロイドがあり有毒です。適当に食べるのは絶対にやめましょう。
別名:金雀児、ブルーム、金雀枝(エニシダと読みます)
明るく、温かい雰囲気の春の花。枝にびっしり咲きます。ひとつひとつの花はかわいいです。赤い顔の人形に黄色い帽子をかぶせたような花です。
乾燥地で無駄に水分が奪われないようエニシダの葉は小さく、その分、緑色の枝でも光合成が行われます。耐寒性があり、乾燥にも強く、やせ地でも育ちますが、寿命は10年ほどと短いです。